私がこの会社「アルファメーション株式会社」を創業した時、一番の基本として、機械・工場の電気設備に主軸を置くつもりでしたので、いわゆるファクトリーオートメーション(※1)が一つのキーワードでした。さらに、プラスアルファを大事にしていきたい、プラスアルファによるお客様へのメリットを提供していくという想いから、アルファメーション株式会社という社名が生まれました。
※1ファクトリーオートメーション
生産設備の自動制御のこと。工場の生産工程を自動化するためのシステムの総称
1. 工場の電気設備のことならすべてワンストップでおまかせ
一言で言うと、我々は工場の電気関連全てをまかなう工場専門の電気屋です。電気設備のことでしたら、様々な切り口でのサポートを行えます。
工場に対して、電気設備からシステム導入まで、すべてワンストップで行えるというのが我々の強みです。
工場の設備というのは、通常様々な機械が導入されていることが想定されますが、それぞれの機械に対し、導入・設置・メンテナンスなどは各機械のメーカーによるところです。しかし、機械を導入する際は変電設備や電源配線など、そもそもの工場の設備が必要になります。また、Iot化、ファクトリーオートメーションを進めるならば、なんらかのシステムを導入する時に対応できる電気関係の設備を整えなければなりません。そのような時に、工場内の機械・設備を一括で見て、Iot化できるような環境を整える作業は困難を極めます。
このような、トータルで工場の電気設備を見る事ができてIot化に対応できる電気屋というのが、弊社の特色です。
高圧の受変電設備から機械の制御のプログラムまで全部一括で、ワンストップでやっていますという電気屋は実は全国でもあまり存在しません。
一般的な電気工事屋は、基本的に下請け構造です。
図面に対して作業を行うため、指示を待つ状態です。弊社はお客様に対して図面を書くことから、お客様の要望を汲み取り、お困り事解決などのお話ができます。やりたいこと聞いてから動くパッシブ(受動)ではなくアクティブ(能動・積極的)でありたいと考えます。
これらをできる電気屋は少ないのが現実です。機械であろうが、建築であろうがそれぞれ下請け構造で、横断的に元請けとして顧客に提案できるような会社はなかなかありません。
いきなり何億もかけて機械総入れ替えとかシステム導入ということではなく、今ある機械で少しずつ小さな変化から業務効率化を図ることが可能です。
お客様の工場のお困り事・悩みをじっくりヒアリングして、より最適なプランを提案しています。
例えば、きちんと動いてるときは何もしなくていい装置があり、何か異常が起きたときのために、ずっとそこに1人いなければいけない、と監視役が必要だとします。しかしその装置が、高温多湿で熱い水蒸気が常に充満しているような過酷な環境にあるとします。常に人が装置を監視する、というのは厳しい環境だけど誰かいなければならないわけです。
そこで、何か異常が起きたときに事務所などいつも人がいる場所で異常が確認できるようにすれば、過酷な状況でずっと監視しているということをしないですむわけです。
離れた場所から、どこの装置でどのような異常が起きた、という信号を出すシステムにして、さらに時間が記録されるようにすれば、次の展開としては装置の異常が統計として記録されるわけです。
また、工場の照明や空調を機械と連動させる、ということも行います。この装置の電源が入るタイミングに合わせて、照明をつける、装置が全部止まったらその何分か後に照明を消してあげるということです。それによって電気のつけっぱなしや消し忘れがなくなり、節電に繋がるというわけです。
ファクトリーオートメーション、いわゆる自動化ですけど、それによって従業員が危険にさらされない、本来の業務に集中できる、将来的にこうなる、などもう一歩進んだところ、社名由来にもなっているプラスアルファを提供していくのが我々の喜びです。プラスアルファに繋がっていくようなところを常に意識し、将来性を常に見ていきながら、どうすればもっと便利になるか、働く人が楽にできるかを考えます。
2. メイドインジャパンのほこりを守るために私たちができること
弊社の経営理念で、「人が中心の~」と最初に掲げていますが、これはなぜかと言うと、我々の業種業態は、主とするものは機械であり電気ですが、やっぱりそれを使うのは人だということを大事にしているからです。
つまり、その装置を使って誰かが何かを作って、その作られたものを使って誰かが何かをします。最終的には誰かの幸せのためになるわけです。
ここの部分を非常に大事に思っています。
その装置を使う人作る人、作られたものを使う人、どのようにしてその幸せを届けようかと考えていく中での一番肝になる部分は、メイドインジャパンというブランドです。
メイドインジャパンは、作り手の思いがそこに入っています。自分たちが作りやすいからではなくて、こうしたほうが使う人が便利だよねとか、使う人はこっちの方ほうが嬉しいよね、など相手を思いやる心、おもてなしの心があるからメイドインジャパンはここまで世界にほこれるブランドになったと思うのです。
つまり、作り手の思いが一番大事であって、そこがなくなってしまったら、おそらくメイドインジャパンではなくなってしまうと思います。
このメイドインジャパン、今の日本のものづくり(製造業)は大変な状況にありますが、だからこそ、これからもそれを維持していくためには、作り手の思いを大事にしなくてはいけないと思っています。
例えば、職人技でどうしても自動化してはいけない部分もあると思います。そういった事も大切にします。
だからこその「人を中心に」する、なのです。
我々は「人が主役」を常に念頭に置いています。
自動化・省力化・無人化というのは、設備投資の計算の費用対効果として、どうしても人件費削減の計算をされてしまうのですが、そうではありません。
環境・ミス・プレッシャーを機械が補い、人間は人間らしい仕事ができるようにする事が目的です。
・自動化できるけど自動化してはいけない分野
・自動化できないけど自動化していかなければならない仕事
ここの見極めがとても重要です。
ある人が仕上げをしなければ成り立たない仕事もあります。職人技などは人間の手と目と感覚がどうしても必要ですし、守っていかねばならない技術でしょう。
一方で、自動化できないけど自動化していかなければならないこともあります。これは、我々エンジニアの創意工夫・技術力で叶えていかなければなりません。
我々が業務の効率化を計ると、大変な思いをして作業された方がもっと人間らしい作り手の思いを込められる仕事ができるとか、危険にさらされていた方がその作業から解放されてもっとものづくりに集中できるとか、人を主役にやっていく手助けができれば幸いです。
ファクトリーオートメーションは、人を大切にするための技術力であり、メイドインジャパンを守る手段です。この技術を通して、日本の製造業を支え、盛り上げたいと我々は考えます。
3. 製造業の現場の方々に大切なことを教えていただいた若かりし日
この道30年になりますが、最初の頃本当に右も左もわからない中、実は若気の至りで失敗したことがあります。
馬鹿にされたくないという思いが強く、周りに対して冷たく当たり、虚勢を張っていた時期がありました。
そのため、お客さまからも周りの業者さんからも、距離を取られることもありました。それが自分にとっては防護壁になっていたのです。そんなあるとき、実はとある装置の立ち上げで加工テストをして失敗をしました。
機械を止めてしまいその瞬間に「ごめんなさい」と、とっさに言葉が出たんですね。そのときは「大丈夫です」という感じでその場は終わり、テストは続きました。
たまたま居合わせた方にその後、「あのような場面でとっさにごめんなさいと言える人ってすごいと思いました。そいう人がいるから、いいものを作れると思ってすごく感動したんですよ」と言われてとても驚きました。
それまで全くその逆の自分をずっとやってきたつもりで、とっさに出た言葉でしかなく、全然そんなつもりは全くなかったのにですよ。しかし、その一言で気付きました。
「そうか。あそこでごめんなさいを言えることが、実はとても大事なことで、相手の気持ちに寄り添うことが自分にもできるんだ。今まで技術の方ばっかり目がいってた。人間対人間の付き合いなんだね」と。
それからは、虚勢を張るのをやめ、何か相手のためにと心がけ、相手の気持ちや求めていることを汲み取るようになりました。
現場の方々に大切なことを教えてもらって、技術だけでは見えないことが見えるようになり、大変感謝しております。これが、私の「人が主役」の原点です。
4. 人を大切に。思いやりと優しさがあってこその技術。
我々は、エンジニアなので、どうしても技術を追い求めます。しかし、それだけでは成り立ちません。
デジタルな業務内容ではあるからこそ、定性的な・人間臭いところを大事にしていかなければならないのです。
我々の仕事は、お客様との会話の部分も含めて、人を大事にしていかなくてはなりません。お客様だけでなく、工場で働く人たちや一緒に働くの協力業者、もちろん弊社の社員に対してもです。
特に弊社は、これを大事にしていきたいという強い思いがあります。
どうすれば人を大切にできるのか?それは優しさだと思います。周りに対して優しくできるかどうかが、実はすごく大事な事で、我々技術者には欠けているというか、私自身が欠けていた部分であり、必要とされているところなのだと思います。人に優しい装置を作るためには、優しい人であるべきと考えます。
作る人、その製品を使う人の幸せを願い、より良くしていくには、優しさが基本であり、優しさと人を大切にする思いがあってこその技術だと、私は考え、日々お客様の言葉に耳を傾け、奮闘しています。
それが、メイドインジャパンを支え、さらなる価値を世界へ広げる私の夢へと繋がります。